最近、OpenAIの元従業員12名が、同社の再編計画が当初の非営利目的から逸脱していると主張し、イーロン・マスク氏の訴訟を支持しました。この訴訟は、特にAI業界の急速な変化を背景に、大きな注目を集めています。
ロイター通信の報道によると、これらの元従業員は法廷文書で、OpenAIで技術職や管理職を務め、非営利モデルの重要性を深く信じていたと述べています。彼らは在職中、非営利組織としての監督体制が常に議論の中心であったと振り返っています。しかし、近年、投資家からの収益化への圧力が高まり、OpenAIの中核的な使命に損害を与える可能性が出てきました。
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元従業員らはまた、非営利組織の体制が人材獲得に不可欠であり、多くの人がOpenAIの理念に共感して入社したと強調しています。これに対し、OpenAIは、組織形態は変化したものの、使命は変わっていないと表明。「非営利性を維持し、使命は不変です」と取締役会は再確認しました。
なお、マスク氏はOpenAIの共同創設者の一人でしたが、2018年に退社しています。近年、マスク氏はオルタマンCEO率いるOpenAI、特にその収益化への転換を繰り返し批判しており、昨年2月に初めて訴訟を起こしました。6月に訴えを取り下げましたが、8月に再提訴しています。
訴訟の中で、マスク氏は約4500万ドルの投資後「裏切られた」と主張しています。OpenAIと投資先のマイクロソフトが、不透明な営利関連会社ネットワークを構築し、広範な私利私欲があったと指摘しています。また、マスク氏の法律チームは裁判官に差し止め命令を申請しましたが、勝訴の可能性を証明できなかったとして却下されました。
差し止め命令は却下されましたが、裁判官は公益性と法令違反の可能性を考慮し、本件は今年秋にカリフォルニア州の裁判所で審理されることになりました。OpenAIの今後の展開に注目が集まります。