2025年初、インタラクティブ広告局(IAB)が発表した調査によると、広告業界における人工知能(AI)の活用は増加傾向にあるものの、AI技術をメディア広告サイクル全体に導入している広告従事者はわずか30%にとどまっています。調査では、広告代理店とブランドはAIを活用してターゲットオーディエンスの特定とセグメンテーションを主に目指している一方、パブリッシャーはAIによる広告在庫予測と需要分析に重点を置いていることが明らかになりました。
調査によると、広告業界におけるAI技術導入の主な障壁として2つの点が挙げられています。1つは設定と維持の複雑さで、62%の回答者がこれを重大な懸念事項と回答しました。もう1つはデータセキュリティリスクで、多くの従事者がAI活用におけるユーザープライバシー保護に懸念を抱いています。
これらの課題があるにもかかわらず、広告代理店とパブリッシャーはAIの導入を加速させており、これはブランドにとって警鐘となるでしょう。競争が激化する市場環境において、ブランドは自社のAI活用成熟度を評価する必要があります。特に、AIを積極的に活用して広告支出の最適化と効果向上を図っているパートナーや競合他社と比較することが重要です。
この調査は、IAB、BWG Strategy、Transparent Partnersの共同で行われ、ブランド、広告代理店、パブリッシャーなど、529名の米国広告業界従事者が参加しました。結果は、技術の発展に伴い、広告業界におけるAIの受容度は向上していくことを示唆していますが、AIの潜在能力を最大限に発揮するには、既存の技術的およびセキュリティ上の課題を克服する必要があります。