先日、マイクロソフトは Build 2025 で新しい一連の API を発表し、開発者がウェブアプリに簡単に人工知能機能を統合できるようにしました。これらの機能は、同社のブラウザー「Edge」を通じて利用可能です。今回のアップデートは、AIを活用したウェブアプリケーションの分野において、AI機能を同様に備える Google Chrome と競争することを示しています。
マイクロソフトによると、この新しいAPIにより、ウェブサイトやEdgeブラウザーエクステンションが、今年2月末にリリースされたAIモデル「Phi4mini」にアクセスできるようになります。Phi4miniには約38億個のパラメーターがあり、数学問題解決能力に特化しています。これは、人間が生成したデータや合成データを含む多様なトレーニングデータセットのおかげです。モデル内のパラメーター数は通常、その問題解決能力に関連しており、パラメーターが多いほど性能が向上しますが、小型モデルはノートパソコンやモバイルデバイスなどの低スペックハードウェアではより効率的です。
Phi4miniに加えて、Edgeにはテキスト生成、要約、編集を支援する書き込み補助APIなど、他のAI APIも導入されました。マイクロソフトは、近いうちに翻訳APIをリリースし、Edgeを通じてAI駆動型の言語翻訳サービスを提供することを計画しています。
マイクロソフトはニュースリリースの中で、「これらの実験的なAPIは、潜在的なネットワーク標準になり得るものであり、異なるプラットフォームやブラウザ間で互換性を持ち、他のAIモデルとも協力できる」と述べました。これらAPIは、機密データを取り扱う開発者や規制産業で働く開発者にとって、外部クラウドサービスにデータを送信することなく、ローカル処理によるプライバシーとセキュリティを提供します。
新しいAI APIは現在、Edge CanaryおよびDevチャネルで利用可能で、開発者はこれらの機能を事前に体験することができます。
同時に、マイクロソフトはEdgeブラウザにPDF翻訳ツールを導入しました。このツールは70以上の言語に対応しています。ユーザーはEdgeでPDFファイルを開き、アドレスバーの「翻訳」アイコンをクリックするだけで、選択した言語に翻訳された新しい文書を作成できます。PDF翻訳機能は来月正式にリリースされますが、Canaryユーザーは今日から試すことができます。
要点:
📌 マイクロソフトは新しいEdge APIを発表し、開発者がAI機能をウェブアプリに組み込むのを支援します。
📌 新しいAPIには、Phi4miniモデルへのアクセスや、文章生成・編集を支援する機能が含まれています。
📌 EdgeブラウザにはPDF翻訳ツールが追加され、70以上の言語に対応しています。