先日、フランスのパリに本社を置くMistral AI社がAll Hands AIと共同で、ソフトウェア開発専用のオープンソースAIモデル「Devstral」を発表しました。このモデルは240億ものパラメーターを持ち、現在「研究プレビュー」ステージにあり、Apache2.0のオープンソースライセンスで公開されています。これにより、開発者や企業が商業目的で自由に使用することが可能です。

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Devstralの登場は、プログラミング領域におけるAIの一大進展を示しています。Mistral AIの公式ブログによると、このモデルは「agentic」なコーディングを推進しています。つまり、AIは単なる補助ツールではなく、コード生成や複雑な開発タスクにおいてより積極的に参加できるようになりました。これにより、開発者は現実的な開発課題に対応する能力をさらに向上させることができます。

開発者はMistral APIを通じてこのモデルにアクセスでき、具体的には「devstral-small-2505」というコード名を使用します。使用料は入力されたトークン100万ごとに0.1ドル、出力されたトークン100万ごとに0.3ドルです。また、DevstralはHugging FaceやOllamaなどのプラットフォームからダウンロード可能であり、ローカル環境での導入も容易です。

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性能テストでは、Devstralが優れた結果を収めています。Mistral AIによると、このモデルはSWE-Bench Verified基準テストで46.8%の高得点を獲得し、多くの先進的なオープンソースモデルを上回り、一部のクローズドソースモデル(例えばOpenAIのGPT-4.1-miniなど)さえも凌駕しました。その最適化されたアーキテクチャのおかげで、Nvidia RTX4090グラフィックカードまたは32GB RAM搭載のMacでもスムーズに動作します。これにより、使用するハードウェアの要件が低くなり、多くの開発者が気軽に利用できます。

Mistral AIは、Devstralがコードベースの探索やマルチファイル編集に特に強みを持つことを強調しています。また、OpenHandsやSWE-Agentなどのコードエージェントフレームワークとも互換性があり、GitHubで発生するリアルな問題を効果的に解決できると述べています。これにより、初心者からベテランエンジニアまで、さまざまなプロジェクトで活用できることが期待されます。