アリババ・グループとグローバル企業ソフトウェアの巨人であるSAPは本日、重要な戦略的提携に合意しました。両社は、SAPの企業向けソフトウェアとアリクラウドのインフラストラクチャーやAI能力を深く統合し、世界中の企業クライアントのイノベーションとデジタルトランスフォーメーションに強い勢力を注入します。今回の提携の核心となるポイントは、SAPが通義千問大規模モデルに接続することを検討しており、企業がアリクラウド上でSAP ERPクラウドやプライベートクラウドバージョンを展開できるように全面的にサポートする計画です。
包括的なクラウドサービスと認証
アリクラウドはSAP認定のクラウドサービスプロバイダーとして、さまざまな業界の企業向けにスケーラブルで安全かつ知能的なソリューションを提供します。企業はアリクラウドプラットフォーム上で「SAP Integrated Business Planning Cloud」を展開し、「RISE with SAP」と「GROW with SAP」を通じてデジタルトランスフォーメーションの旅を開始できます。
注目すべきは、アリクラウドが最新のSAPインフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)認証プログラムに正式に参加することです。この認証により、顧客がアリクラウド上でさまざまなSAP企業向けソリューションを実行できるようになり、両社の提携に技術的な基盤を築きます。
AI統合による革新
今回の提携は企業向けAIアプリケーションにおいて重要なブレークスルーを果たしました。SAPはアリババの通義千問大規模モデルをSAP AI Core内の生成型AIハブに接続することを検討しており、企業クライアントがSAPアプリケーションやカスタマイズされたAIアプリケーションでローカライズされた生成型AI機能を利用できるようになります。この革新により、企業はさらに知能化された業務処理能力を獲得し、運営効率を大幅に向上させることができます。アリババ内部での完全な展開
この深化した提携の一環として、アリババ・グループは自社内でSAPの完全なソリューションマトリックス、つまりSAPビジネスAI、SAPビジネステクノロジープラットフォーム(BTP)、SAP調達クラウド(Ariba)、SAP統合ビジネスプランニングクラウド、SAP人事クラウド(SuccessFactors)、SAP費用管理クラウド(Concur)およびSAP Emarsysソリューションを全面的に展開する計画を立てています。これにより、自社の企業インフラストラクチャーをさらに最適化します。グローバル市場拡大戦略
両社は明確な市場拡張ロードマップを設定しており、初期段階では中国市場に焦点を当て、その後、東南アジア、中東、アフリカなど重要な地域へ順次拡大していきます。この戦略は、両社が新興市場におけるデジタルトランスフォーメーションの需要に対する深い洞察力と長期的なコミットメントを示しています。アリババ・グループの会長である蔡崇信氏は以下のように述べています。「SAPとの提携により、我々は世界クラスのテクノロジーを通じてグローバルな企業を支援する決意がさらに強まりました。SAPの企業向けソフトウェアとアリクラウドの強力なインフラストラクチャーおよびAI能力を組み合わせることで、クライアントがよりスマートで機敏な運用システムを構築することを支援しています。」
SAPのグローバルCEOであるクリスチャン・クライン氏は以下のように述べています。「私たちの共同市場展開戦略は、企業に全方位のツールとサービスを提供し、新たな局面を開きます。私たちはアリババと協力することで、双方の共通のお客様がイノベーションを促進し、運営パフォーマンスを最適化し、競争優位性を築けるよう支援し、クラウド技術駆動のデジタルトランスフォーメーションの未来を共にリードしていきます。」