最近、マスクは自身のソーシャルメディアアカウントでこの主張を発信し、自社のxAIが開発したチャットボット「Grok」に@をつけて投稿しました。これにより業界内での議論が高まりました。彼が引用したのは、Googleの検索シェアが10年ぶりに90%を下回ったという報告書です。
その報告によると、Googleのグローバルな検索エンジンシェアは89.71%まで減少しており、これは2015年以来の最低値です。報告では、SEO最適化や広告による干渉に疲れたユーザーが増加していること、そしてAIドライブの検索が急速にシェアを奪っていることが指摘されています。
マスクのこの発言は、Googleへの直接的な挑戦であり、同時に自家製のGrokシステムが検索シーンで代替可能であるとの自信を示しています。これがxAIが「AI駆動型検索アプリ」に力を入れている重要なサインでもあります。
Googleの伝統的な検索の将来について悲観的な見解を述べているのはマスクだけではありません。アップルのサービス担当上級副社長エディ・クー氏も、先月、Safariの検索量が今年4月に初めて減少したことを明らかにし、それがAI検索エンジン(OpenAIやPerplexity AIなど)を使用するユーザーが増えた結果だと明言しました。
興味深いことに、アップルとGoogle間の年間200億ドルにも及ぶ契約はまだ続いており、この契約によってGoogleはSafariのデフォルト検索エンジンとなっています。しかし、クー氏の公の発言から、アップルがSafariの検索入口について再考していることが伺えます。今後、AI検索機能が導入される可能性もあります。
一方で、Googleは米国司法省からの独占禁止法違反の告訴を受け、排他的契約を通じて検索市場の支配的地位を強化しようとしていると非難されています。このような複数のプレッシャーに直面する中、このテック巨人がAI検索の波にどう対応できるかは未知数です。
そして、マスクやアップルのようなテック大手がAI検索に賭けを始めていることで、新たな「検索エンジン革命」が静かに始まろうとしているのです。