ブルームバーグの報道によると、人工知能プログラミングアシスタント「Cursor」の製造元であるAnysphereは9億ドル(約1,000億円)の資金調達を完了し、評価額は99億ドルに達しました。これは「ワンダーバード」(10億ドル以上の評価額を持つ企業)への距離がわずかに及ばない状態です。本ラウンドのリードインベスターはThrive Capitalで、Andreessen Horowitz、Accel、DST Globalなどの著名な機関も参加しています。
わずか1年で3回の資金調達を行い、成長の驚異を実現しました。これはAnysphereにとって、わずか1年未満での3回目の資金調達であり、人工知能プログラミングアシスタント市場に対する資本市場の極めて高い期待を示しています。TechCrunchの以前の報道によると、この3年間で設立されたこのスタートアップは、昨年末に25億ドルの評価額で1億ドルの資金調達を行ったばかりですが、わずか数ヶ月で評価額が約3倍に急増しました。
情報筋によれば、Anysphereの年次収益(ARR)はおよそ2ヶ月ごとに倍増しているとのことです。消息筋はブルームバーグに対して、同社のARRは既に5億ドルを超えており、4月中旬に報告された3億ドルから60%増加したと述べています。これは同社の商業的な強さを示すものです。
Cursorは開発者向けに段階的な料金体系を提供しており、2週間の無料トライアル後に有料サブスクリプションへ移行します。プロフェッショナル版は20ドル、ビジネス版は月額40ドルとなっています。報道によると、同社の収益の大部分は個人ユーザーからのサブスクリプションでしたが、現在では企業向けライセンスも提供されており、企業チーム向けにはより高価なサービスを提供しています。
今年初め、OpenAIや他の潜在的な買い手がAnysphereに接触しましたが、拒否されました。その後、ChatGPTの製造元であるOpenAIは30億ドルで急速に成長中のAIアシスタント「Windsurf」を買収しました。これは、テクノロジー業界の巨人たちがAIプログラミングアシスタント分野での競争を激化させていることを示しています。
人工知能プログラミングアシスタントは「アンビエントコーディング」と呼ばれ、AI分野で最も人気のある応用の一つとなりました。その中でもCursorは特に際立ちました。Anysphereの成功した資金調達と急速な成長は、AIプログラミングアシスタントが概念から主流の商用応用へと移行しつつあり、ソフトウェア開発業界全体に大きな変革をもたらすことを意味しています。