文部科学省は5月12日に正式に『小中学校における人工知能全般教育ガイドライン(2025年版)』および『小中学生向けジェネレーティブAIの使用ガイドライン(2025年版)』(以下「使用ガイドライン」という)を発表しました。これは、人工知能を科学的かつ規範的に全学年段階で教育を推進することを目指しています。
「使用ガイドライン」では、生徒が生成された人工知能のコンテンツを宿題や試験の答えとして直接コピーすることを禁止し、創造的なタスクでの人工知能の乱用も制限することを明確に規定しています。この措置は、「代行型」の利用行為を根本的に防ぐことを目的とし、生徒が過度にAIに依存して独立した思考能力が弱まることを防ぎます。
画像出典:AI生成、画像ライセンスプロバイダーMidjourney
文部科学省基礎教育指導委員会の責任者は、新規制は生徒の年齢特性に基づいて段階的な利用戦略を設計したものだと述べました。小学校では教師や保護者の助けを得て適切にAIを使用し、不合理な利用が知識構築や思考発達に影響を与えないようにします。中学校では生成された内容の論理性分析に一定程度踏み込み、生徒に内容の妥当性を交差検証する指導を行います。高校では技術原理に基づく探究学習を組み合わせ、生成された内容が社会に与える影響について自主的に評価するよう導きます。
「使用ガイドライン」では、教員の指導役割も強化されています。教師は実際の授業の中で批判的思考訓練を積極的に展開し、AIが生成したテキストの論理的な欠陥や価値観の傾向、文化的なバイアスについて分析させることで、生徒に技術出力内容に対する懐疑心と選別能力を養うことを求めています。
データセキュリティ面では、「使用ガイドライン」は全プロセスを保障する仕組みを要求しています。試験問題や個人情報などの機密データが生成型AIの利用時に入力されることを厳しく禁じており、各小中学校はAIツールの「ホワイトリスト」制度を整備し、教育現場でのニーズに合致し、データセキュリティが守られているツールのみを導入する必要があります。また、教育行政機関は技術供給業者によるデータ処理プロセスを動的に審査し、合法かつ規範に従った運用を確保します。