オラクルはテキサス州アビリン市にOpenAI向けの大規模データセンターを建設していますが、その規模はサッカー場17個分に相当します。しかし、懸念されているのは、建設の遅延です。現在も「空地」状態が続いているとのこと。関係者によると、工事が遅延した場合は、OpenAIがオラクルとの契約を解除する可能性があり、オラクルは数十億ドルの損失を被る可能性があります。
OpenAIのサム・アルトマンCEOとオラクルのラリー・エリソン会長は、このプロジェクトに大きな期待を寄せていましたが、建設の遅れは両社にプレッシャーを与えています。オラクルのデータセンター事業責任者、マヘシュ・ティヤガラジャン氏は最近の会議で建設業者に不満を表明し、人員増加や予算超過を容認しても工期短縮を要求しました。
このプロジェクトは、特に送電システムの構築において大きな課題に直面しています。オラクルは明らかに不慣れな領域に踏み込んでおり、顧客のニーズと自社の能力のバランスを取らなければなりません。OpenAIなどの企業の大規模施設への需要の高まりを受け、オラクルをはじめとするクラウドサービスプロバイダーは、特にキャッシュフローにおいてかつてないリスクにさらされています。
かつてはデータベースソフトウェアで知られていたオラクルですが、ほぼ偶然にもAIデータセンターブームに乗り込みました。エリソン会長は先月の決算説明会で、近いうちに「スターゲイト」プロジェクトの最初の巨大契約を締結すると予想していると述べました。このプロジェクトは、5000億ドル規模のAIデータセンターを建設することを目指しており、OpenAIを含む複数の企業が参加します。
しかし、関係者によると、アビリンのデータセンター建設に加えて、オラクルの「スターゲイト」プロジェクトにおける役割は限定的になる可能性があり、OpenAIはオラクルの競合他社と潜在的な協力交渉を行っているとのことです。また、トランプ政権が最近発表した世界的な関税政策により、オラクルの新施設に必要なサーバーや資材のコストが大幅に上昇する可能性もあります。
ChatGPTが2022年に登場して以来、オラクルの株価は77%上昇しましたが、新政策の影響で先週には54%に減少しました。投資家は依然としてオラクルのAI分野における将来の可能性に期待を寄せていますが、現在のプロジェクトの遅延は、同社の将来に不確実性をもたらしています。