グーグルの最新バージョンであるGemini2.5 Deep Thinkが、2025年の国際大学生プログラミングコンテスト(ICPC)世界大会で歴史的な記録を打ち立てました。このAIは金メダルを獲得しただけでなく、人間のチームでは解決できなかった問題にも成功して解き明かし、複雑な問題解決能力において人工知能の大きな飛躍を示しました。

競技成績は人間を上回る

9月4日にアゼルバイジャンのバクーで開催されたICPC世界大会には、100以上の国から3,000以上の大学が参加し、最終的に139チームが出場資格を得ました。この5時間で12問のアルゴリズム問題を解く必要がある最高峰の大会で、Gemini Deep Thinkは驚異的な実力を発揮しました。

このAIシステムは公式ルールに従ってオンラインで出場し、人間のチームよりも10分遅れて開始しました。注目すべきは、45分で8問を解決し、3時間以内に残りの2問を終え、合計677分で10問を解いたことです。これは人間の選手の中でも上位2位に相当する成績です。

最も注目を集めたのは、問題Cの解決です。これは、設定可能なパイプと貯液器のネットワークを通じて液体配分システムの効率を最大化するという複雑な問題であり、どの人間のチームも解けませんでした。この課題は、ほぼ無限の可能性の中で最速の充填戦略を見つけることを求め、AIが抽象的推論において画期的な進展を遂げたことを示しています。

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技術的突破の背景

グーグルのDeepMindによると、この成功は予備訓練、後続訓練、高度な強化学習法、多段論理推論および並列問題解決などのさまざまな分野での総合的な進歩によるものです。強化学習の過程で、モデルは極めて困難なプログラミングタスクを訓練を受け、複数のGeminiエージェントが異なる候補解を生成し、仮想端末でテストされ、継続的に改善されていきました。

このバージョンは、数週間前に国際数学オリンピック(IMO)で金メダルを獲得したGemini2.5 Deep Thinkを基盤として構築されています。これにより、グーグルがAIの推論能力を急速に改良・向上させていることが示されています。

産業上の意義と今後の展望

ICPCの執行理事であるBill Poucher博士はこれを転換点と呼び、「Geminiがこの分野に参入し、ゴールド級の成果を収めたことは、次世代のための人工知能ツールや学術基準を定義する上で重要な瞬間です」と語りました。彼は、複雑な問題を分解し、多段階の戦略を設計し、正確に実施できる能力がプログラミングだけでなく、医薬品の開発、チップ設計、さらに広範囲な研究分野においても重要であることを強調しました。

グーグルのDeepMindは、Geminiが開発者との協力者として機能することを述べています。理論的には、人間とAIが組み合わせることで、すべての12の問題を解決できるとされています。現在、Gemini2.5 Deep Thinkの軽量版は、Geminiアプリを通じてGoogle AI Ultra計画のユーザーに公開されており、将来的なバージョンはより強力なプログラミングアシスタントとしてソフトウェア開発、物流、科学研究などに応用される予定です。

AIオリンピック競争が白熱化

この突破は、OpenAIの大きな成功に続いています。2025年8月、OpenAIのシステムは国際情報学オリンピック(IOI)で金メダルを獲得し、330人の人間の参加者の中で僅か5人だけがそれを上回りました。Geminiと同様に、この結果も汎用的推論モデルによるものであり、AIの推論能力が急速に発展していることを示しています。