最近のテクノロジー市場分析会社Canalysのレポートによると、2024年第2四半期の世界的なAI搭載PCの出荷台数は約880万台にのぼり、そのうち60%をAppleのMacが占めています。

Apple-Final-Cut-Pro、MacとiPad版Final Cut Pro、Apple、ビデオ編集

このデータは、AppleがAI搭載PC市場で依然としてトップを維持していることを示しています。さらに、Windows PCにおいては、800ドル以上の価格帯でAI搭載PCの出荷量が、2024年第1四半期の7%から第2四半期には14%に増加しました。これは、消費者のAI処理能力を持つPCへの関心の高まりによるものなのか、それともAI機能がPCの標準装備になりつつあるからなのか、興味深いところです。

「AI機能PC」とは何か?Canalysの定義によると、AI機能PCとは、専用のチップセットやモジュールを搭載し、ローカルでのAIワークロード処理を可能にするデスクトップまたはノートパソコンのことです。例えば、AMDのXDNA、Appleのニューラルエンジン、IntelのAI Boost、QualcommのHexagonなどは、代表的な専用チップです。

ここで多くの人が「AI機能」は単なるマーケティング用語ではないか、と疑問に思うかもしれません。この点は長年議論されてきました。AIワークロード自体は目新しいものではなく、変化しているのはワークロードの種類だけだと考える人もいれば、現代のAIワークロードは従来のCPUやGPUの処理能力を超えており、専用のニューラルプロセッシングユニット(NPU)が必要だと主張する人もいます。したがって、マーケティング的な側面はあるものの、技術の進歩に伴い消費者のニーズも変化しているのです。

注目すべきは、Appleが2020年11月からMシリーズチップを採用して以来、その製品にはニューラルエンジンが搭載されており、Macを購入する消費者は基本的にAI機能を標準で得ているということです。一方、x86プロセッサを使用するWindowsシステムでは、AI対応機能は徐々に増加していますが、多くの場合、ハイエンド製品に限定されています。

では、第1四半期から第2四半期にかけての出荷量増加は、市場ニーズの変化によるものなのか、NPUを搭載したチップが増えたからなのか?実際には、どちらも関係しています。企業が古いハードウェアをアップグレードする際に、将来のアプリケーションにも対応できる機器を求めるため、AI機能への関心が高まっています。また、800ドル以上の価格帯でNPU搭載システムが増加したことも、AI機能の普及を促進しています。

同時に、マイクロソフトもこのアップグレードサイクルにおいて重要な役割を果たしています。Copilot AIチャットボットの導入により、マイクロソフトもAI技術の普及を推進しており、NPUの採用を加速させています。AIワークロードの普及に伴い、将来的にはNPU搭載PCが標準となり、様々なデバイスでより多くのAI機能が実現されることになるでしょう。

要点:

🖥️ AppleのMacはAI機能PC市場で60%のシェアを占め、トップを維持しています。

📈 Windows市場では、ハイエンドAI機能PCの出荷量が7%から14%に増加しました。

🤖 技術の発展とマイクロソフトの推進により、NPUはPCの標準装備となるでしょう。